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公職選挙法の「戸別訪問」とは?具体例と法の禁止事項について

      2017/02/12

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日曜日、ウチで子どもとテレビを見ていたら、玄関の呼び鈴が…。

何かのセールスかと思いきや、ご近所の鈴木さん(仮名)と、もうひとり、見知らぬ方が立っています。

「こんにちは。きょうはお友達を連れてきたの。この方は田中さん(仮名)と言って、ホントにマジメで面倒見のいい人なのよ。次の市議会議員に立候補する予定なの。私、この方の後援会に入って応援しているの。」

「はじめまして。田中と申します。子育てがしやすいまちづくりをめざしています。ぜひ私の後援会にご入会いただき、ご支援よろしくお願いします。」

ん?たしか市議会議員選挙は、1か月くらい先だったと思うけど。

ってことは告示前ってこと?

これって公職選挙法で禁止されている「戸別訪問」じゃないの?

確認してみました。

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公職選挙法の「戸別訪問」とは?

まずはじめに、選挙運動の3要素と言われるものがあります。

  • 特定の選挙において
  • 特定の候補者を当選させるために(又はさせないために)
  • 有権者に働きかける行為(票を入れるように、又は入れないように)

が「選挙運動」になります。

で、「戸別訪問」ですが、これは選挙運動のひとつで、有権者の住居や会社などをまわって特定の候補者への投票を呼びかけることを言います。

この選挙運動は、公職選挙法(138条)によって禁止されています。

お宅を訪問して、直接「投票依頼」を行わなくても、その目的をもって訪問したということであれば、同じように禁止行為に該当します。

公職選挙法(抜粋)
(戸別訪問)
第百三十八条  何人も、選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて戸別訪問をすることができない。
2  いかなる方法をもつてするを問わず、選挙運動のため、戸別に、演説会の開催若しくは演説を行うことについて告知をする行為又は特定の候補者の氏名若しくは政党その他の政治団体の名称を言いあるく行為は、前項に規定する禁止行為に該当するものとみなす。

戸別訪問を認めると、買収や利益誘導などの不正行為を招きやすくなり、有権者の自由で公正な判断が損なわれるおそれがあるからです。

一方で、公職選挙法が一律に戸別訪問を禁止することは、表現の自由(政治的言論)が制約されるという考え方もありますが、最高裁では、戸別訪問の禁止に関して合憲であると判断しています。

「戸別訪問」の具体例は?

冒頭の『子育てがしやすいまちづくりをめざしています。ぜひ私の後援会にご入会いただき、ご支援よろしくお願いします。』という発言ですが、政治活動の域は出ていないとみなされます。

なぜなら、後援会の入会依頼は「政治活動」の一環で、「選挙運動」にはあたらないからです。

公示(市議会議員選挙なら「告示」ですね。)前であるならば、この程度であれば入会を依頼する際の常識の範囲内とみなされます。

ただし、一方では、政治活動の名を借りた選挙運動としての戸別訪問が横行しているのも事実です。

公職選挙法では完全に区別されているハズなのですが、その線引きは非常に曖昧で、その曖昧さをいいことに各陣営は逃げ道として利用しているというのが現状のようです。

支援者が『今度、お友達の○○さんが市議会議員選挙に立候補するからよろしくね。』と言ったとします。

これを、わざわざアナタの自宅まで行って言ったのであれば問題がありますが、偶然会った場所で言うのであれば、日常会話の域を出ていませんので違反にはならないと解釈されています。

公職選挙法が戸別訪問として禁止している行為は、あくまで特定の候補者を「当選(又は落選)」させようとするために訪問することを想定していて、後援会に入ってくださいという内容の訪問は、投票の依頼とは別のモノと考えられているのです。

現状の事実として、次のコトは頭に入れておきましょう。

  • 政治活動による戸別訪問は可
  • その場合、名前を明かすことも可
  • 公示(告示)後は、政治活動でも戸別訪問は禁止


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公職選挙法の禁止事項は?

公職選挙法では次の7つの「選挙運動」が禁止事項として明記されています。

  1. 事前運動の禁止(129条)        告示・公示前における選挙運動の禁止
  2. 未成年者の運動の禁止(137条)     未成年者に関する規制
  3. 戸別訪問の禁止(138条)        投票の依頼を目的にした訪問活動の禁止
  4. 飲食物提供の禁止(139条)       選挙事務所等での飲食提供の禁止
  5. 気勢を上げる行為の禁止(140条)    デモをしたり、大声を出したりする行為の禁止
  6. 文書・図画の規制(142条)       運動期間中のビラに対する規制
  7. 買収、供応の禁止(221条)       お金や物を送って投票を依頼をする行為の禁止

票を入れてほしいと「依頼する」行為だけではなく、その「思い」を察知させ、依頼する行為と同じ結果や効果を得ることも「違反行為」とみなされます。

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まとめ

お宅を訪問して直接投票の依頼を行わなくても、その目的をもって訪問したということであれば、戸別訪問の禁止として違反になります。

同じように、たとえ投票の「依頼」をしなくても、飲食物による接待を行い、その趣旨や目的が投票の依頼を帯びていたとすれば「飲食物提供の禁止」となり、また、選挙活動期間以外であれば「事前運動の禁止」となり違反です。

選挙違反は「行為」そのものではなく、その「趣旨」が問われます。

後援会の入会依頼だとか、名前を出したとか出さなかったとかではなく、相手に「この人は投票の依頼に来たのだ」と思われることが問題なのです。

詳しくはアナタのお住まいの市町村選挙管理委員会事務局へ問い合わせてくださいね。


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