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EUとは?イギリスの離脱と日本への影響について

   

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イギリスでEU離脱の是非を問う国民投票が行われ、24日に発表された結果は「EU離脱」でした。

離脱票が51.9%、残留票は48.1%という僅差でしたが、投票率は72.1%であり、イギリス国民の関心の高さが伺えます。

市場はこの結果を受けて、大きく反応しました。

市場関係者の中には「リーマンショックの再来」だとして、これから大きな不況に突入する可能性を示唆する人もいます。

良い悪いは抜きにして、個人的には、こういう投票結果もあり得ると思っていました。

ワタシはかつてイギリスに留学していたことがあり、彼らの自国に対する考え方は非常に独特であると感じていたからです。

ちょっと見て行きましょう。

そもそもEUって?

EUとは、「ヨーロッパ連合」のことです。

EUに至るまでにはいくつかの変遷があります。

ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)

これは、第2次世界大戦終結後、1951年に、フランスとドイツが主導して組織されました。

この2国は、国境付近にある石炭と鉄の利権をめぐって度々争いが起こっていたため、フランスが、鉄と石炭については国家という枠組みを超えて第三者的国際機関を創設し、管轄することを提案し、フランス、ドイツ、イタリア、ベルギー、ルクセンブルク、オランダの6カ国が参加して誕生しました。

敗戦国ドイツを2度と立ち上がらせない様に監視し、しかも強国フランスと協力関係を持たせて、独自に動けないようにするのが真の目的だったとも言われています。。

ヨーロッパ経済共同体(EEC)とヨーロッパ原子力共同体(EURATOM)

その後、この6か国は、石炭や鉄鉱だけではなく、経済全般においてより広範な連携機関を作ることになります。

これが、1957年に設立された、ヨーロッパ経済共同体(EEC)です。

また、原子力においても、ヨーロッパ原子力共同体(EURATOM)を設立し、結びつきを強めようとします。

ヨーロッパ共同体(EC)

こうした取り組みが進み、ECSC、EEC、EURATOMを合体させて誕生した新しい組織が「ヨーロッパ共同体(EC)」です。

この組織はこれまでの前身組織に参加していた6カ国を中心として結成しましたが、後にアイルランド、デンマーク、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、そしてイギリスが加盟して12カ国が参加することになりました。

しかし、そこに至るまでや紆余曲折がありました。

1960年5月に、イギリスをはじめとする4か国は、3共同体への加盟を表明しましたが、フランスはイギリスの加盟に対して反対し、これら4か国の加盟手続きは停滞することになりました。

その後、1967年にフランスでの政権交代を受けて、4か国は再び加盟を申請し、1973年1月1日、イギリスは正式に加盟することになったのです。

ヨーロッパ連合(EU)

こうした背景をもとに1991年12月に誕生したのが「ヨーロッパ連合(EU)」です。

前身のECによる経済共同体をより発展的に拡大させ、通貨を統一します。
さらに共同体をより大きくして政治的統合も目指しているのが、大きな特徴です。

なぜイギリスはEUから離脱したの?

EUには、経済的なメリットが数えきれないくらいあります。

では、なぜイギリス国民は、EUから離脱することを選択したのでしょうか。

離脱派の最も端的な主張は、EU加盟によって制限されている「国としての主導権を回復する」としていますが、実際のところは「これ以上移民・難民を受け入れられない」ということです。

ヨーロッパでは難民問題が大きな課題となっていますが、難民にとってイギリスは人気国です。

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イギリスの社会保障は他のヨーロッパ諸国に比べて手厚く、適法に難民として受け入れられれば、福祉手当という金銭が与えられたり、無料で医療施設を利用できたり、確実に住居が与えらたり、まさに、難民にとっては、「至れり尽くせり」なのがイギリスなのです。

EU加盟国には、難民の受入を拒否できない旨の法律があります。移民も同様です。

だから、イギリスが移民・難民受け入れを拒否したり制限したりするには、EUを離脱するしかないのです。

移民・難民をこのまま受け入れていけば、国民の税負担はますます重くなります。

現在、イギリスは、歴史の教科書に出てくるような時代と違い、それほど余裕のある国ではありません。

自分が苦労して納めた税金が難民の受入のために使われてしまうことになっては、イギリス国民としてはたまったものではありません。

また、難民や移民が増えると必ず問題になるのが、雇用です。

彼らはイギリスよりもコストの安い国から逃げてきていますので、イギリス人が手を出さないような安い賃金でも喜んで働きます。

そうすると、もともとあった仕事までやがて安いコストの難民に奪われてしまうことになります。

さらには、他国の文化が入り混じることによるイギリス古来の文化喪失や、一方では治安の悪化などの懸念も叫ばれているのです。

イギリスのEU離脱 日本への影響は?

金融機関

現在、世界の金融市場は、ニューヨーク、上海、ロンドンを中心として休みなく取引が行われています。

だから、ロンドンには各国の金融機関がこぞって拠点を置いています。

現在のところ、イギリスはEUに加盟していますので、ロンドンに拠点を置けばEUのその他27か国でも許認可をとることなく、自由に取引が行えるのです。

でも、最終的に、イギリスがEUを離脱すると、これらの金融機関がロンドンから離れて行ってしまう可能性があります

イギリスがEUを離脱した場合、多くの金融機関はドイツかフランスに移転するでしょう。

金融機関だけでなく、やがては多くの製造業なども移転することが考えられます。

この影響によって生まれる失業者は、計り知れないものがあります。

ポンドの価値低下

さらに、イギリスがEUを離脱すれば、イギリスという国そのものの信用が低下します。

そうすると、イギリスの通貨であるポンドの価値が低下します。

ポンドが弱くなれば、イギリスが他国のものを買うときに、より多くのポンドを支払わなければならなくなり、イギリスの購買力が低下し、イギリスの景気が悪化していきます。

最終的にはヨーロッパ全体の景気の悪化を引き起こします。

日本への影響

では、日本にはどのような影響があるのでしょうか。

現在、イギリスに進出している日本企業の数は約1,000社、日本の対イギリス直接投資の額は1兆7,000億円です。

数字だけ見ても、イギリスの景気悪化が、日本の景気悪化につながることは想像できます。

さらに、前述したポンド安、ユーロ安になると、今度は日本の輸出産業にも大きな影響が出てきます。

まとめ

イギリスのEU離脱は、イギリス国民自身が決めたことですので、ワタシたちがとやかく言う権限はないかもしれません。

ただひとつ、お伝えしたいことがあります。

ワタシはイギリスに留学していたことがあるのですが、その時、学校の先生が、雑談の中で

「中学生くらいまで、自分はイギリスがヨーロッパだとは思っていなかった…」

と言っていたことが今でも忘れられないのです。

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ワタシは、今回の国民投票の結果の深層には、この先生が発言したような部分があるのではないかと思っているのです。


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