中学生の自由研究は「水と油を混ぜる」で!水と油が混ざる?まとめ方も
2017/08/27
さあ、夏休みもあとわずかですね。
アナタは、もう宿題は終わりましたか?(笑)
まだ終わっていない方は、今すぐ、理科の実験を始めましょう。
テーマは「水と油を混ぜる」です!
中学生の自由研究は「水と油を混ぜる」で!
もう、時間がありません!
早速始めましょう!
用意するもの
- 水
- 油
- プラスチックコップ…20個程度(透明のモノ)
- 食紅…少々
- ソース
- お酢
- しょうゆ
- 卵白
- 卵黄
- 台所用洗剤
- ジュース(果汁100%のもの)
- 無調整豆乳豆乳
どれも台所にあるものなので、用意できると思います。
実験のやり方
実験前に水と油の混ざり方を確認する
水と油をそれぞれ別のコップに 1/3 程度入れます。
水を入れた方のコップに食紅を少し入れます(水の動きを分かりやすくするためです)。
食紅の色がついた水を、油の入ったコップに少し注ぎ、油の中での水の動きを確認します。
割りばしなどでかき混ぜた後、しばらくするとどうなるかも観察してください。
※この作業は一度行えば次から行う必要はありません。
水と油を混ぜて、それぞれ用意した物質を混ぜていく
水と油をそれぞれ別のコップに 1/3 程度入れます。
※この時、油を入れたコップは2度と使いませんが、水を入れたコップは次回も使えますので捨てないようにしてください。
油を入れたコップに、水を注ぎます。
ソースをいれて、割りばしなどでかき混ぜた後、しばらくするとどうなるか観察してください。
同じように、お酢、しょうゆ、卵白、卵黄、台所用洗剤、ジュース、無調整豆乳豆乳と行っていきます。
その都度スマホなどで写真を撮るのを忘れないようにしてくださいね。
また、水と油の変化の仕方については必ずその都度メモを取りましょう。
水と油が混ざるのはなぜ?
水と油の関係
水と油が分離するのは、それぞれの物質をつくっている粒子(分子)に電気的な性質の違いがあり、反発し合うからです。
水の分子は,水素原子2つが酸素原子1個を左右からはさむようにくっついてできています。
そのため,水の分子全体として、酸素原子が水素にやや押し出されるような電荷を持ちます。
油は、炭素、酸素、水素の原子がバランスよくくっついて、油の分子全体として電荷のないような状態になっているのです。
このような電荷のちがいによって、水と油は混ざり合いにくくなるため、分離してしまうのです。
水と油が混ざる理由
気になるのは、このように、本来混ざりにくく分離してしまう水と油に台所用洗剤や卵黄を入れると、なぜ『混じり合うように見える』のか、ですよね。
それは、台所用洗剤や卵黄などの物質の粒子(分子)は、水と仲良く結びつこうとする部分(「親水基(しんすいき)」といいます。)と、油と仲良く結びつこうとする部分(「親油基(しんゆき)」といいます。)とでできているからなのです。
こういった洗剤や卵黄の分子が水に溶けると、、油が、油と仲良く結びつこうとする部分である「親油基」の方に結びつくので、洗剤や卵黄分子の内部に油が取り囲まれた小さな粒になります。
そうして、これらの粒が水中に拡散するので、油が水に溶けたような状態になるのです。
このような現象を「乳化」といい、乳化させる性質を持つ物質を、「乳化剤(界面活性剤)」と呼びます。
つまり、乳化剤を加えると、水と油は混ざるようになるのです。
乳化剤を元にした実験は、他にも
「中学生の自由研究は理科の実験で!簡単に酢と油と卵でマヨネーズを作る」
でもご紹介していますのでご覧ください。
【参考文献】「すぐできる、よくわかる!自由研究中学生の理科(Newベーシック)」(永岡書店)
|
この本は中学生の理科の自由研究全般について分かりすくまとまっていて、おすすめです。
中学生の自由研究のまとめ方は?
実験中は、その都度実験の過程(行程)をスマホなどで写真を撮っておきましょう。
それぞれの物質(ソースなど)を混ぜる過程で、コップ中の水と油がどのように変化したか記録したものをレポートにまとめます。
レポートには適宜写真を添付して、リアル感を高めます。
また、実験前に、お子さんに、自分なりの結果の予想と簡単な理由などをメモに書かせることが重要です。
「実験前は、酸性はモノを溶かす性質があるのでの、水と油を溶かして混ぜることができると仮定して、お酢を入れると水と油が混ざると思ったが、そうならなかった。」
など、子どもらしい素直な感想なども加えるとグッと良くなりますので、実験を行う前に充分に時間をかけて考えさせましょう。
それぞれ実験前の予想と実際の結果とのかい離を対比、記録させてレポートに加えると、一層リアル感のある実験になりますよ。
※ 中学生の自由研究については、以下の記事でもご紹介しています。
- 中学生の自由研究は「10円玉をキレイにする」で!なぜキレイになるの?
- 中学生の自由研究は理科の実験で!材料は水だけ、半日で!まとめ方も
- 中学生の自由研究は理科の実験!うがい薬でビタミンCをしらべる!
- 中学生の自由研究は理科の実験!水とペットボトルだけ まとめ方も
- 中学生の自由研究は理科の実験で!簡単!牛乳で作るカッテージチーズ
- 中学生の自由研究は「水と油を混ぜる」で!水と油が混ざる?まとめ方も ← 今読まれている記事はココです。
- 中学生の自由研究は理科の実験で!簡単に酢と油と卵でマヨネーズを作る
- 中学生の自由研究は理科の実験!水とエタノールで半日でまとめます!
- 中学生の自由研究は理科の実験で!材料は氷とお湯だけ 半日でまとめる
- 中学生の自由研究もサッカーがいい!サッカーミュージアムへ行こう!
参考にしてくださいね。
なお、小学生向けの自由研究については、
でご紹介しています。
まとめ
台所用洗剤と卵黄は「乳化」の作用が強いので、明らかに水と油が混ざったと思います。
ところが、ジュースや豆乳でも、しっかり混ぜた後しばらくして観察すると、油が少し濁ったりした方もいるのではないでしょうか?
実はこれも少し「乳化」していると考えられます。
食品衛生法で認められている乳化剤は5種ありますが、その材料である「ソルビット」は果物にも入っているのです。
また、大豆レシチンも天然の添加物としてよく利用されていますので、ある意味で正しい実験結果といえます。
5種の乳化剤
参考に5種の乳化剤についてお伝えしておきます。
グリセリン脂肪酸エステル
食品用乳化剤として多量に使われている安全性の高い乳化剤です。
食品添加物として、清酒や生ラーメンなどでもよく使われています。
ソルビタン脂肪酸エステル
甘味料であるソルビットと、食用油脂の成分である脂肪酸とを反応させて作ったものです。
ソルビットは天然には植物界に広く分布していて、リンゴ、イチゴなどに数パーセント程度含まれています。
ショ糖脂肪酸エステル
ショ糖と食用油脂由来の脂肪酸からなる乳化剤です。
無味、無臭で安全性に優れた食品用乳化剤です。
プロピレングリコール脂肪酸エステル
安全性の高い親油性界面活性剤です。
油脂、ワックス類、他の界面活性剤との相溶性に優れています。
大豆リン脂質(大豆レシチン)
大豆から抽出したリン脂質で、天然の界面活性剤として、多くの分野で多目的に使用されています。
マヨネーズは卵黄中に含まれるレシチンが乳化剤として働いて、サラダ油が卵や酢の中に均一に乳化している食品です。
中学生だけでなく、ワタシたちにも少々難しいですが、この5種の乳化剤のことも少し付け加えて書いてみると、さらに「実験」っぽい感じが強まりそうですね。
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