「警報」と「注意報」の違いは?防災気象情報の種類と発表のタイミング
いよいよ台風シーズンになってきましたね。
こんな時よくテレビなどでアナウンスされる、「○○警報」や「△△注意報」。
いったいどんな違いがあって、どんな時に出されるものなのでしょうか。
見ていきましょう。
「警報」と「注意報」の違いは?
台風といえば、やはり大雨などによる水害ではないでしょうか。
「警報」と「注意報」の違いを説明する前に、まず、「警報」と「注意報」の対象となる水害の分類について理解しておく必要があります。
大雨警報・注意報の対象
河川の洪水によらないもの
氾濫型内水
- 短時間強雨等により雨水の排水能力が追いつかず、低地などに水が溜まる
- 河川周辺地域とは異なる所でも発生する
洪水警報・注意報の対象
河川の洪水(高水位を含む)に起因
湛水型内水
- 河川周辺の雨水が河川の水位が高くなったため排水できずに発生
- 発生地域は堤防の高い河川の周辺に限定される
外水氾濫
- 河川の水位が上昇し、堤防を越えたり破堤するなどして堤防から水があふれ出す
防災気象情報と種類
防災気象情報とは?
防災気象情報とは、災害の防止・軽減、災害発生時の応急対策、二次災害発生の防止などに必要な情報のことです。
気象庁が発表する防災気象情報は、「特別警報」、「警報」、「注意報」、そして「気象情報」の4種類に分けられます。
警報と注意報の違いは?
特別警報、警報・注意報、気象情報は、その状況に応じて関係する都道府県や市町村などへ伝達され、防災活動等に利用され、あわせて市町村や報道機関を通じて地域住民の方々へ伝えられます。
気象庁では、対象となる現象や災害の内容によって次のとおり6種類の特別警報、7種類の警報、16種類の注意報などを発表しています。
これらを一覧にすると次のとおりです。
種類 | 発表する状況 | 内容等 |
特別警報 | 重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合 | 大雨、暴風、暴風雪、大雪、波浪、高潮(6種類) |
警報 | 重大な災害が起こるおそれがある場合 | 大雨、洪水、暴風、暴風雪、大雪、波浪、高潮(7種類) |
注意報 | 災害が起こるおそれがある場合 | 大雨、洪水、強風、風雪、大雪、波浪、高潮、雷、融雪、濃霧、乾燥、なだれ、低温、霜、着氷、着雪(16種類) |
気象情報 | 1~2日後に、重大な災害が起こると予想した場合、警報・注意報の内容を補完する必要がある場合 | |
防災気象情報はどんな時に発表されるの?
段階的に発表される防災気象情報
災害につながるような気象(現象)の発生が予想される場合、順に随時に発表されます。
- 台風に関する気象情報(台風予報)
- (○○に関する)△△県気象情報
- 気象警報・注意報
- 指定河川洪水予報
- 土砂災害警戒情報
- (大雨)特別警報
その他、特別な場合には、「記録的短時間大雨情報」や「竜巻注意情報」が出されることがあります。
なお、土砂災害については、
も参考にしてみてくださいね。
大雨時の主な防災気象情報
1日ほど前
- 大雨に関する気象情報(適宜発表)
市町村と住民は点検、確認、準備を行います。
3~6時間(短時間強雨時1~2時間)前
- 大雨注意報、洪水注意報
- 大雨警報、洪水警報
市町村は住民に注意喚起を行い、警報に切り替わった際には、避難準備、対策本部・避難所の開設運営、避難支援を行います。
2時間前
- 土砂災害警戒情報
- 記録的短時間大雨情報
市町村は住民に避難勧告や指示を行い、危険等の周知を行います。住民は避難完了等に向けて最善の努力を行います。
基準に達し、さらに降り続く場合に発表
- 特別警報
- 記録的短時間大雨情報
まとめ
気象庁では、防災気象情報を発表する際は、過去からの膨大な記録をすべて集積し、それらもとにシステムによる管理を行ったうえで、災害が起こりやすい状況を判断して決定しています。
ワタシたちは、発表された情報に基づいて的確かつ迅速に行動して、被害を最小限に食い止める義務と責任があると思います。
これから台風シーズン真っ盛りです。
防災気象情報に注意しながら、楽しく、かつ安全に過ごしたいですね。
【参考】
気象庁ホームページ(気象警報・注意報)
http://www.jma.go.jp/jp/warn/
国土交通省 川の防災情報
http://www.river.go.jp/kawabou/
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