七夕の由来について簡単に子ども向けにお伝えします
2016/05/02
7月7日は七夕ですね。
誰でも子どもの頃、笹に飾り付けをして、願い事を短冊に書いて飾った経験が、何度もあるはずです。
また、全国的なものとしては、日本三大七夕祭りとして、仙台市、神奈川県の平塚市、愛知県の安城市が有名です。
それくらいのことは知っているけれど、今度の保育園の七夕の行事で司会を頼まれ、子どもたちに七夕の由来を話さなければならなくなったという方、いらっしゃいませんか?
子どもだけならまだしも、親も来ているのだから、あまり変な説明はできませんよね。
七夕の由来を簡単に子供向けに伝えるためにまとめてみました。
七夕の由来は?
七夕の由来は、ひな祭りや端午の節供と同じように中国から伝来してきた風習と日本独自の風習が混ざったものです。
では七夕はいったいいつから、どのようにして始まったのでしょうか?
その起源には数多く説がありますが、
- もともと日本の神事であった「棚機(たなばた)」
- おりひめとひこぼしの伝説
- 奈良時代に中国から伝来した「乞巧奠(きこうでん)」
の3つの行事があわさったものと言われています。
ここからはちょっと子ども向けではありませんが、司会をする「大人」の予備知識として目を通しておいてくださいね。
子ども向けの説明は次の章に記載しています。
1つめ 棚機(たなばた)
「棚機(たなばた)」とは古い日本の禊ぎ(みそぎ)行事で、乙女が着物を織って棚にそなえ、神さまを迎えて秋の豊作を祈ったり人々のけがれをはらうというものでした。
選ばれた乙女は「棚機女(たなばたつめ)」と呼ばれ、川などの清い水辺にある機屋(はたや)にこもって神さまのために心をこめて着物を織るのですが、そのときに使われたのが「棚機」(たなばた)という織り機です。
仏教が伝わると、この行事はお盆を迎える準備として7月7日の夜に行われるようになりました。
現在七夕という二文字で「たなばた」と当て字で読んでいるのも、ここから来ていると言われています。
2つめ おりひめとひこぼしの伝説
おそらく、この物語ならどなたでも知っているのではないでしょうか?
『昔、天の川の東に天帝の娘、はたおりの上手な織女(おりひめ)が住んでいました。
織女が年頃になったので、父親の天帝は農耕に熱心な牽牛(けんぎゅう)という青年と結婚させました。
ところが、結婚してからというもの、二人とも仕事をおろそかにし二人で遊んでばかり。
天帝は注意しましたが効き目がなかったので、怒った天帝は二人を川の対岸に別れさせてしまいました。
織女は悲しみにくれて泣いてばかりなので、かわいそうになった天帝は年に一度、旧暦の7月7日の夕方だけに川を渡って逢うことを許しました。』
天の川に住んでいるというふたり、ちなみに天空では織女は琴座のヴェガという星、牽牛は鷲座のアルタイルという星にあたります。
「織女」「牽牛」は中国の星名で、日本では、ヴェガは「織姫」「七姫(ななひめ)」「朝顔姫」「百子姫(ももこひめ)」「女星(めぼし)」など、アルタイルは「彦星」「男星(おぼし)」「犬飼星」「牛牽星(うしひきぼし)」などと呼ばれています。
3つめ 乞巧奠(きこうでん)
中国の行事で、7月7日に織女星にあやかってはた織りや裁縫が上達するようにとお祈りをする風習から生まれたものです。
庭先の祭壇に針などをそなえて、星に祈りを捧げます。やがてはた織りだけでなく芸事や書道などの上達も願うようになりました。
年に一度七夕の夜に二人が会えることを祝福し、また、機織りの技術が"巧"みになることを"乞"う(ねがう)のです。"奠"は"まつる"という意味があります。
後に、機織りだけではなく、針仕事などの手芸全般や音楽、詩などの芸などの上達も含めるようになっていきました。
日本には奈良時代に中国から七夕物語とともに乞巧奠が伝わってきたようで、宮中で星祭りとして行事が行われていました。
そして、次第に日本古来の神を迎える禊(みそぎ)の儀式と一緒になって「七夕」となっていったようです。
ちなみに1年には5つの節句があり、それぞれ節句にはかかわる植物があるので憶えておきましょう。
- 1月7日:人日(じんじつ)…七草
- 3月3日:上巳(じょうみ)…桃
- 5月5日:端午(たんご)…菖蒲
- 7月7日:七夕(しちせき)…竹
- 9月9日:重陽(ちょうよう)…菊
七夕の由来を簡単に言うと?
今お話したことを、子どもたちに伝えるのは、なかなか難しいですよね。
そこで、子供が聞きたいであろうポイントを押さえて、わかりやすい伝え方をするのがおすすめです。
現代の七夕は「短冊に願い事を書いて、笹の葉に飾る」というのがメインの行事です。
なぜそうするのかという説明を、わかりやすく子どもたちに伝えたいですよね。
こんな風に話してみたらいかがでしょうか?
ふたりはとても仲良しです。でもふたりは、天の川と言う大きな川の、こちら側と向こう側に住んでいるので、会えません。
だから、ふたりともいつも「会いたいな」と思っています。
そんな2人は、1年に1回、七夕の夜に、カササギという鳥たちが助けてくれて会うことができます。
だから七夕には、みんなもおりひめとひこぼしのように願いをかなえてもらえるように、お願いごとを書いて飾りましょう。
この「おりひめ」と「ひこぼし」の話をしたうえで、こんなことも伝えるとぐっとわかりやすくなるでしょう。
おりひめは、お洋服を作るのがとても上手でした。
だから、おりひめのように、習っていることや、がんばっていることが上手になるようにと、 お願いごとを書いて飾るんですよ。
こういった伝え方だと、子どもたちも七夕の行事を楽しんでくれるではないでしょうか。
まとめ
子どもたちの自由奔放な発想は、時に大人を驚かせることも多々ありますので、子どもたちから予想外な質問が飛んでくることもあるかもしれません。
そのときは、冒頭の予備知識を参考にして、質問に答えてあげてください。
七夕の説明がうまくできて、子どもたちが笑顔で楽しんでくれるといいですね。
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