中秋の名月の由来と決め方は?今年はいつ?満月じゃない?縁起との関係も
「中秋の名月」~良く聞く言葉ですよね。
この言葉から連想される一般的なイメージは、「秋には月が良く見えるし、満月だからキレイ…。」というものではないでしょうか?
でもこれって、一部は正しいのですが、一部は間違っているのです。
一緒に確認していきましょう。
中秋の名月の由来と決め方は?今年はいつ?
中秋の名月の由来は?
そもそも、月は1年中出ていますし、毎年12回(又は13回)の満月があるのに、なぜこの時季だけ特別扱いされるのでしょうか。
1年には春夏秋冬、つまり四季がありますよね。
旧暦では、3か月ごとに季節が変わり、
- 春…1・2・3月
- 夏…4・5・6月
- 秋…7・8・9月
- 冬…10・11・12月
と分けられます。
そして、それぞれの季節に属する月には、さらに初・中・晩と細分されます。
例えば、旧暦の4月は「初夏」になります。
ですので、8月は秋の真ん中なので「中秋」となります。
そして、旧暦は太陰暦の一種ですから日付は空の月の満ち欠けの具合に対応しています。
月の半ばである15日の夜の月は必ず満月か満月に近い丸い月が見えることから、
「十五夜の月」=「満月」
と考えられるようになりました。
旧暦の8月15日の夜の月も満月かそれに近い月になります。
この日の秋の夜空に浮かぶこの丸い月はやがて中秋の名月と呼ばれるようになり、これを観賞する風習が生まれたのです。
中秋の名月の決め方は?今年はいつ?
旧暦の8月15日が「中秋の名月」になりますので、それを新暦に当てはめた日が現代の「中秋の名月」になります。
ちなみに、2016年の「中秋の名月」は9月15日(木)です。
2016年から見て、前後3年間の「中秋の名月」はいつか見てみましょう。
西暦 | 中秋の名月の日 |
2014年 | 9月8日 |
2015年 | 9月27日 |
2016年 | 9月15日 |
2017年 | 10月4日 |
2018年 | 9月24日 |
中秋の名月は満月じゃないの?
旧暦の8月15日の「中秋の名月」は、満月ではないことが以外に多いのです。
参考に、2010年から2020年までの「中秋の名月」(旧暦の8月15日)と実際の満月の日付を比較してみました。
西暦 | 旧暦の8月15日(曜日) | 満月(日数差) |
2010年 | 9月22日(水) | 9月22日(+1日) |
2011年 | 9月12日(月) | 9月12日(±0日) |
2012年 | 9月30日(日) | 9月30日(±0日) |
2013年 | 9月19日(木) | 9月19日(±0日) |
2014年 | 9月8日(月) | 9月9日(+1日) |
2015年 | 9月27日(日) | 9月28日(+1日) |
2016年 | 9月15日(木) | 9月17日(+2日) |
2017年 | 10月4日(水) | 10月6日(+2日) |
2018年 | 9月24日(月) | 9月25日(+1日) |
2019年 | 9月13日(金) | 9月14日(+1日) |
2020年 | 10月1日(木) | 10月2日(+1日) |
で、どうして差があるのか、ですよね?
旧暦の1日(ついたち)は、「新月(朔)となる瞬間を含む日」となるので、0時0分に新月になる日も、23時59分に新月なる日も同じ「1日(ついたち)」になります。
これを踏まえると、旧暦の15日の月齢は、最小で13.0日、最大で15.0日、平均で14.0日となります。
また、新月から満月までの平均日数は、約 14.76日で、これが本当の満月の月齢の平均となります。
これは 旧暦の15日の月齢平均より0.76日分だけ長い値です。
このため、実際の満月は旧暦の15日よりやや遅れる傾向があるのです。
中秋の名月は仏滅?縁起が悪いの?
中秋の名月は縁起が悪いのでしょうか?
縁起が悪いかどうかはわかりませんが、結論から言うと、中秋の名月は必ず仏滅になります。
中秋の名月が必ず仏滅となる理由
「仏滅」とは六曜のひとつで、六曜は旧暦の月と日で決まります。
旧暦の月日を次の式に当てはめます。
この「あまりN」で次のとおり六曜が決まります。
Nの値 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
六曜 | 大安 | 赤口 | 先勝 | 友引 | 先負 | 仏滅 |
以上から、中秋の名月は旧暦の8月15日ですので、
となり、仏滅になります。
つまり、中秋の名月を、旧暦の8月15日とする限り、この日は絶対に仏滅になるわけです。
でも、せっかくの名月ですので、参考程度に…。
まとめ
旧暦の8月15日の「中秋の名月」は、必ずしも満月ではないのです。
では、中秋の名月は正しい満月の日に行うべきかというと、やはりそうではないと思います。
この日は、名月を観賞するだけでなく、別の重要な意味を持つ日でもあるのです。
庶民の間では、中秋の名月は月に秋の収穫物を供えて五穀豊穣を祝い、実りに感謝する祭りとして発達しました。
ですので、満月であることが絶対条件なのではなく、旧暦の「八月の十五夜の月」として、誰でもその日が確認できて、心を同じ方向に向ける ~自然に感謝する~ ということが重要なのです。
また違った意味で「中秋の名月」を眺めてみてはいかがでしょうか?
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