「サミット」って何?どうして始まったの?G7、G8、G20の違いは?
最近、ウチの子が急に『「サミット」って何?G7で何なの?』とたずねてきました。
ワタシも分かっているようないないような…。
ちょっと怪しかったので、『今、忙しいから、後でね』とごまかす始末。
アナタは私と同じ轍を踏まないでくださいね!
「サミット」って何?
「サミット」とは、もともと英語で「山の頂上」という意味です。
主な先進国である、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの7か国の首脳(国のトップ=頂上)が集まるため、G7(Group of seven)サミットとも呼ばれます。
この他には、EU(欧州連合)の欧州理事会議長や欧州委員会委員長も参加しています。
今、世界は急速に国際化・グローバル化が進み、国同士の結びつきがどんどん強くなってきています。
きのう、ワタシたちの知らない地球のどこかで起きたことが、今日のワタシたちの生活を大きく変えてしまうことだってあるかもしれません。
発足当時には、このようなことは予見されていたわけではないでしょうが、主要な各国の首脳が、一堂に会する場で、世界が直面するさまざまな問題を話し合うという「サミット」はますます重要になってきているのです。
「サミット」ってどうして始まったの?
サミットの歴史は「G6」から
1970年代になると、ニクソン・ショック(ドルの切り下げ)や第1次石油危機など、いくつもの未曾有の大きな経済問題に直面した先進国の間で、通貨、貿易、エネルギーなどに対する政策協調について、首脳レベルで総合的・包括的に議論する場が早急に必要であるとの共通の認識が生まれました。
このような背景をもとに、ジスカール・デスタン仏大統領(当時)の提案により、1975年11月、パリ郊外のランブイエ城で、日本、アメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ(当時)、イタリアの6か国による第1回首脳会議(G6)が開催されたのです。
1975年のランブイエ首脳会議の結果、世界経済問題に対応するために先進国の首脳が集まって政策協調のための議論の場を持つことの重要性が認識され、各国が持ち回りで議長国を務めながら毎年首脳が集まって会合をもつことになりました。
その後、世界経済の諸問題と並んで、冷戦を背景とした東西問題、さらには冷戦崩壊後の国際問題、南北問題やその時々の世界情勢などの政治問題が議論の対象とされるようになり、開発、環境、気候変動などの地球規模の問題についても議論されるようになっています。
また、首脳会議の前に、大臣級の会議として、健康、法務、労働、外務、財務等の会合も行われます。
G6からG7、そしてG8へ
このランブイエ会議に続いて開催された1976年のプエルトリコ会議からはカナダも参加し、1977年のロンドン会議からは欧州共同体(EC)(現在は欧州連合(EU))の欧州委員会委員長が参加するようになりました。
このカナダの参加によって、1975年のG6の枠組みがG7へと変わります。
その後、冷戦終了後の国際情勢に応じて、1991年のロンドン会議から、G7サミット終了後、ロシア大統領と各首脳がサミットの枠外で会合を行うようになりました。
ロシア首脳は、徐々にサミットでの参加セッションを拡大していき、1998年のバーミンガム会議以降は従来の「G7サミット」に代わり「G8サミット」という呼称が用いられるようになりました。
ただし、2014年3月のロシアによるクリミア併合を始めとするロシアによるウクライナの主権と領土の侵害を受け、緊急に開催されたG7において「ロシアがその方向を変更し、G8で意味のある議論を行う環境に戻るまで、ロシアのG8への参加を停止」することが決定されました。
これにより2014年以降は再び「G7」サミットとなっています。
G7、G8、G20 その違いは?
G7とは?
1975年のランブイエ首脳会議の参加国である、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアにカナダを加えた7か国のことです。
G8とは?
G7である7か国、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダにロシアを加えた8か国のことです。
G20とは?
G8首脳会議とは別に、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、欧州連合は、G7として定期的に財務大臣・中央銀行総裁会議を開催していましたが、この先進7ヶ国・1地域に新興経済国12ヶ国が加わり、1999年より20ヶ国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議(Group of Twenty Finance Ministers and Central Bank Governors)を開催しています。
この会議には、国際通貨基金(IMF)、世界銀行(WB)、国際エネルギー機関(IEA)、欧州中央銀行(ECB)など関係する国際機関も参加していて、世界金融危機の深刻化を受けて、2008年からは20ヶ国・地域首脳会合(Group of Twenty Leaders' Summit on Financial Markets and the World Economy)も開催されています。
新興経済国12ヶ国
- アルゼンチン
- オーストラリア
- ブラジル
- 中国
- インド
- インドネシア
- メキシコ
- ロシア
- サウジアラビア
- 南アフリカ共和国
- 韓国
- トルコ
ちなみにG20加盟国(EU加盟国を含む)のGDPを合計すると、世界のGDPの90%ほどを占め、貿易総額は世界の80%を占めるに至ります。
また、G20加盟国の総人口は世界の人口のおよそ2/3にもなるのです。
まとめ
現在日本が承認している国の数は、日本を含めて196か国です。
そのうちの1/10の国だけで、世界のGDPの90%ほどを占め、貿易総額は世界の80%を占めるとは…。
そして、G7、G8に参加している欧米以外の国は日本だけ。
ワタシたちは、日本をこのような豊かな国として築いてくれた先人に感謝するとともに、アジアのリーダーとしての自覚と責任を持って行動しなければいけませんよね。
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