歯の生え変わり 動物と人は?そして生え変わるのはなぜ?
2017/03/02
人間は、どうして歯が生え変わるの?
どうして生まれたときから永久歯が生えないの?
実はコレ、以前ワタシが子どもからたずねられたことなのです。
彼は今ちょうど何本か生え変わってきている途中です。
ワタシは満足な答えができませんでした。
アナタも、自分のお子さんに同じようなことを聞かれませんでしたか?
今度聞かれたらスラスラと応えられるステキな親になれるよう、調べてみました!
動物の歯も生え変わる?
動物の歯は、その種類によって、それぞれの生態に適した仕組みや周期で、伸びたり、生え変わったりするようにできています。
進化論でいうなら、そのような特徴を持っていた者が生存に有利だったために、何世代もの世代交代を経て、それぞれの生態や環境に合わせた歯の仕組みが出来上がってきた、といえることになるのでしょうね。
いくつか例をあげてみます。
サメ
比較的抜けやすくできており、抜けてもすぐに後ろに控えた次の歯が補充されるようになっています。
魚類や両生類、爬虫類は何回でも生えかわります。
ゾウ
臼歯は、一生のうちに6回も生え変わるといわれています。
臼歯は食べ物をすり潰すたびにすり減ってしまうのですが、すり減りすぎてしまう前に、新しい歯が押し出されるように奥の方から生えてきます。
生え変わる回数が多いのは、長い寿命のせいもあるかもしれません。
ネズミ
硬いモノをかじることによってすり減るのにあわせて、一生伸び続けるようにできています。
新しい歯に生え変わるわけではありません。
硬い物をかじらないでいると伸びすぎてしまうこともあります。
このように、それぞれの生物の生態に適した仕組みや周期で、歯は伸びたり生え変わったりするようにできてるのです。
すごいですね。
人の歯の生え変わりは?
大人になった人間には、硬い食べ物を食べたり、さかのぼって原子時代には、武器としても使っていたと思われるため、丈夫な歯が必要となります。
でも、その丈夫で大きな歯を、生まれた時点や生後すぐに生やすのには、ムリがあります。
生まれたばかりの子供はアゴが小さく、そこに大きな歯は収まりきらないのです。
そのため、生後間もなく生えてくるのは、その小さなアゴのサイズに合った乳歯です。
そして、子供のアゴは成長とともに大きくなります。
乳歯は歯茎から生えていますが、すでに生えてしまった歯はそれ以上ほとんど大きさが変化しないため、アゴの成長速度には追いつけません。
もし仮にアゴが成長しても歯が生え変わらず乳歯のままだったら、歯と歯の間に大きな隙間ができてしまうことになります。
そこで、乳歯は一度抜けて、歯茎の奥で最初から大人用サイズとして作られた永久歯があらためて生えてくる、という仕組みになっているのです。
その際に、本数も20本から28本、後に生えてくる親知らずを含めると32本に増えます。
これもアゴの成長に対応する仕組みです。
歯が生え変わるのはなぜ?
歯が乳歯から1回だけ永久歯に生え変わる事を「二生歯性」と呼びます。
これは、歴史上、哺乳類そのものが登場する以前に既に獲得されていた形質であるらしく、人間だけではなく、ニホンザルやチンパンジーなどの多くの哺乳類が、乳歯から永久歯への生え変わりを行います。
でも、なぜ生え変わる回数が1回だけなのかについてはよくわかっていません。
アゴの構造上、歯を作り出す歯胚を生え変わり1回分しか収めておく事ができないため、ともいわれていますが、歯の発生についてはまだわかっていないことがたくさんあり、定かではありません。
実際に、歳をとってから歯が抜け落ちてしまう人もたくさんいますので、抜けた歯がもう一度生えるようになると都合がよいのかもしれませんが、永久歯が抜け落ちるまで寿命が延びたのは医学の発達によるものですし、はるか昔には、生え変わりは1回で十分だったのかもしれませんね。
まとめ
以上、まとめると
- 一度生えた歯の大きさはほとんど変わらない
- 人間のアゴは生後大きく成長するため、最初に生えた乳歯では大きさや本数が足りなくなる
- 多くの哺乳類が、乳歯から永久歯へ1回だけ生え変わる「二生歯性」である
やがて人間は、気の遠くなるような、なが~い、なが~い時を経て、サメのように何度でも生え変わる歯に「進化」するかもしれませんね。
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