欧米ではなぜクリスマスに七面鳥を食べるの?由来は?日本では?
2017/12/22
クリスマスの食べ物と言えばケーキ、と言う方も多いと思いますが、もうひとつ頭に浮かぶのは「七面鳥」ではないでしょうか。
でも、なぜクリスマスに「七面鳥」を食べるのでしょうか。
そして、日本ではなぜ七面鳥ではなく、チキンなのでしょうか。
調べてみました。
なお、クリスマスケーキについては、
「なぜクリスマスにケーキを食べるの?どうしてイチゴなの?海外では?」
でもご紹介しています。
そもそも七面鳥ってどんな鳥なの?
ワタシたち日本人にはほとんど馴染みのない七面鳥。
七面鳥は、キジ目の最大種で、全長約120cm、体重約100kgにも及びます。
メスはオスの約半分の全長約60cm、体重50㎏ほどになります。
胴は光沢がある黒い羽毛で覆われていて、オスの方がメスより光沢が強いのが特徴です。
さらに、オスは胸部の羽毛が逆立っていて、頭部から頸部にかけて羽毛がなく、赤い皮膚がそのまま露出しています。
繁殖期になるとオスの皮膚は色鮮やかに変化し、胸部が隆起します。
日本名の「七面鳥」は、頭部から頸部にかけて露出した赤い皮膚が、興奮すると、青、紫などに変化するため、七つの顔(面)を持つように見えることに由来しています。
アメリカ、カナダ、メキシコに分布し、開けた落葉樹と針葉樹の混合林に生息していて、日本でみることはありません。
欧米でクリスマスに七面鳥を食べるようになった由来は?
クリスマスなどのパーティで七面鳥を食べるのは、アメリカ建国時代の苦労をしのび、感謝の念を表すアメリカの風習から来ています。
17世紀、イギリスから新大陸であるアメリカへ向かった清教徒をはじめとする移住民たちは、当初、アメリカでの農作物の栽培がうまくいかず、食糧難になってしまったそうです。
そのため、多くの方が亡くなりましたが、インディアン(ネイティブアメリカン)は、移住民たちに、とうもろこしやかぼちゃの作り方を教え、食肉用として七面鳥を贈りました。
無事に飢えを凌いだ移住民たちは、インディアンたちに、感謝の気持ちとして、収穫した食べ物、そして新たに飼育した七面鳥を差し出したそうです。
そして、収穫が豊かになったことを祝して、インディアンたちとお祝いした時のごちそうが七面鳥だった、というワケです。
移住民たちがアメリカで生活していけるようになったのは、「七面鳥」という貴重な食用肉があったからだとして、七面鳥は感謝の気持ちを表すものになりました。
こうして、アメリカでは、七面鳥は「縁起物」として感謝祭やクリスマス、結婚式などの祝いの席には欠かせない食べ物となったのです。
その後、七面鳥をお祝い事のごちそうとして食べる習慣が、アメリカからヨーロッパを通じ世界へ広まり、今日に至っています。
ちなみに、イギリスではローストした七面鳥がクリスマス料理のごちそうとされています。
イギリスの作家ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』の中で、主人公である冷酷無慈悲な初老の商人スクルージが、クリスマス・イヴに受けた超常的な体験を通じて感謝と改心の誓いをし、彼の書記のクラチットに贈ったごちそうが七面鳥です。
日本ではどうなの?
戦後、クリスマスに七面鳥を食べる文化が日本に紹介されましたが、日本では七面鳥の入手が困難であることなどから鶏肉(チキン)に代用されることが多くなりました。
また、アメリカ映画などで良く見かける「七面鳥の丸焼き」も、日本ではそのような大型のオーブンが普及していなかったことから、ほとんど受け入れられなかったようです。
日本で七面鳥の代わりにチキンがクリスマスの食べ物として定着するようになったのには、一説には、ケンタッキー・フライド・チキンのマーケティングによるものだという話もあるほどです。
真偽は定かではありませんが、いろいろなものを自分たちの環境に合うように変化させて、すべてを楽しんでしまうというのは、日本人らしいところですね。
まとめ
感謝祭は別名「ターキー・デイ(七面鳥の日)」と呼ばれていて、アメリカでは、七面鳥は、クリスマスより、11月末に行われる感謝祭のごちそうというイメージが強いそうです。
ちなみに、アメリカのケンタッキー・フライド・チキンは、クリスマス期間中は比較的すいているそうです。
おもしろいですね。
なお、もうひとつのクリスマスの定番、「クリスマスケーキ」については、
「なぜクリスマスにケーキを食べるの?どうしてイチゴなの?海外では?」
をご覧くださいね。
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