春一番はなぜ吹くの?いつごろ吹くの?どうして春一番って言うの?
2018/04/03
春の訪れが感じられるようになると、テレビの天気予想などでよく聞くようになる「春一番」。
さて、春一番はなぜ吹くのでしょうか。
いつごろ吹いて、どうして春一番と言うのでしょうか。
春一番はなぜ吹くの?
春一番がこの時季に吹く原因は、「温帯低気圧」が日本海で発達するようになるからです。
温帯低気圧が日本海で発達してくると、太平洋側の「高気圧」から日本海の低気圧に向かって南から暖かい風が強く吹き込みやすくなります。
この低気圧に向かって、南からの暖かい風が強り吹き込む南風が「春一番」となります。
もう少し詳しく言うと、冬の間は大陸の強い高気圧に押され、その周辺をぐるっとまわるように低気圧が進みます。
そのまま発達した低気圧の暖気は太平洋側に追いやられ日本付近には入ってきませんが、春になると上空の寒気を伴って猛烈に日本海で発達する低気圧が現れるようになります。
その低気圧に向かって暖気が強く入ってきて、「春一番」となるのです。
なお、春一番の吹いた日は気温が上昇して、その翌日は強い冬型の気圧配置に戻り寒さが戻ることが多く、寒暖の差が激しくなりがちですので体調管理には注意が必要です。
春一番はいつごろ吹くの?
さて、春一番はいつごろ吹くのでしょうか。
春一番の定義は?
気象庁(関東)の定義は次のとおりです。
- 立春から春分までの間
- 日本海に低気圧がある
- 東京で最大風速8.0m/s以上
- 西南西から東南東の風
- 前日より気温が高い
なお、上で言う「春分まで」というのは「春分の日」は含みません。
過去のデータは?
近年の春一番が吹いた日について調べてみました。
過去3年間は暖冬で、2月に吹いています。
2015 | 2016 | 2017 | |
関東 | なし | 2/14 | 2/17 |
北陸 | 2/22 | 2/14 | 2/17 |
東海 | なし | 2/14 | 2/20 |
近畿 | なし | なし | 2/20 |
中国 | 2/22 | 2/14 | 2/22 |
四国 | 2/22 | 2/13 | 2/17 |
九州(北部) | 2/21 | なし | 2/16 |
九州(南部) | なし | なし | 2/17 |
※データはすべて気象庁調べ
ちなみに、関東地方の春一番が吹いた最早記録は 1988年(昭63年)年2月5日、最晩記録は 1972年(昭47年)年3月20日です。
「春一番」が吹かない?
関東に住んでいると、春一番が吹かないということはあまり想像できませんが、実は、春一番は、地域によって吹いたり吹かなかったりします。
しかし、全国的に見て、どの地域でも吹かなかったこということは過去に一度もありません。
過去17年間(2001年から2017年までの)の春一番が吹いた確率は次のとおりです。
地域 | 確率 |
北陸 | 94% |
関東 | 88% |
中国 | 71% |
九州北部 | 65% |
九州南部 | 53% |
近畿 | 47% |
東海 | 47% |
※データはすべて気象庁調べ
統計によると、春一番が良く吹くのは北陸と関東になります。
近畿と東海では半分以下の確率なのですね。
どうして春一番って言うの?
春一番の名付け親は、長崎県の漁師と言われています。
江戸末期の1859年(安政6年)の3月17日(旧暦では2月13日)に長崎県五島沖に出ていた漁師53名が、この時季特有の春の強風に遭い、全員遭難してしまったのです。
それ以降、漁師らはこの時期の南風を「春一」、「春二」、と呼んで警戒するようになったのが春一番の由来とされています。
しかし、これにも諸説あるようで、石川県の能登地方や、三重県の志摩地方などでも昔から使われていたと言われています。
北陸で春一番の吹く確率が90%以上であることを考えると、あながちあり得ない話ではないような気もします。
ちなみに、全国的なものとして新聞紙上で初めて使われたのは、1963年2月15日の朝日新聞の朝刊の記事だったそうです。
まとめ
春一番の強風による災害には注意が必要です。
実は、それ以外にも気を付けなければいけないことがあります。
春一番の強風で、一斉に大量の花粉が飛散するのです。
花粉症の方は対策が必要ですね。
ちなみにワタシも花粉症。
外出時にはマスクを忘れずに、洗濯物も外に干さないようにしましょうね。
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