山岳遭難しないために その心構えと具体的な対策について
いよいよ新しい祝日、「山の日」が2016年8月11日から設けられました。
この「山の日」は山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝することを目的としています。
埼玉県には、甲武信岳、雲取山、両神山という3つの日本百名山があり、人気の登山スポットにもなっています。
しかし、近年、中高年や「山ガール」などの登山愛好者が増えるのに伴って事故も増えています。
警察庁の発表によると、平成25年に全国の山岳遭難件数は初めて2,000件を超え、過去10年間において増加傾向となっています。
また、この年の埼玉県内における山岳遭難件数は67件で、うち死亡者は5名と発表されています。
このような山の事故を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。
登山計画書(登山届)とは?
登山の際は、急な天候の変化に備えた装備や服装が必要です。
そして、万が一遭難してしまった場合、登山計画書(登山届)が遭難者を発見する、たったひとつの手掛かりとなりますので、必ず提出してください。
「山に行ってくる」とか「アルプスに向かう」というような漠然とした伝え方では、どの山に登ったかがわかりませんよ。
埼玉県の場合、登山計画書は最寄りの駅に設置された登山ポストや近くの交番・駐在所ばかりでなく、インターネットでの提出も可能になっています。
山岳遭難しないための心構えは?
では、山岳遭難しないためには、どのような心構えが必要なのでしょうか。
「ベテラン登山者」だと過信しない
山岳事故のニュースなどを見ていると、「登山歴〇〇年」などと報じられることがありますよね。
山岳事故に限りませんが、事故は気が緩んだときに起きやすいのです。
ベテランになれば、より危険な領域に入っていくことが多いので、事故にあいやすくなるのかもしれません。
「弘法も筆のあやまり」~先人が説いてくれた教えを守りましょう。
安易に他の人を誘わない
アナタは、未経験もしくは経験の浅い人を山に誘ったことはありませんか?
「自分より経験が浅い人を連れて行って気持ちにゆとりを持ちたい」とか「いいところを見せたい」などの、不純な動機がまったくないと自信をもって言えますか?
軽はずみで誘うのではなく、誘ったからには、出発から帰宅まで責任をもってサポートしてあげなくてはいけませんよ。
「過去に行ったことがある山だから」は禁物
登山者は、ついつい、登った経験があると、その山は制覇したと考えてしまいがちです。
しかし、山は、日々刻々と変化しており、季節や気温などによってもまったく異なります。
何度登った山でも、常に「初めての山」という意識を持ちましょう。
山岳遭難しないための具体的な対策は?
山岳遭難しないためには、どういった具体的な対策が重要なのでしょうか。
荷物を軽量化する
軽量化すると、体力が温存でき、最終的には安全につながります。
登山計画に合わせて、必要なモノといらないモノを考えておきましょう。
天気・気象に注意する
出発前には必ず気象図などにより山の天候を調べておきましょう。
多くの登山者は、山の気象状況ではなく、まちの天気予報を見ています。
ペース配分に注意する
どんな人でも、気にしていないとペースは速くなるものですが、後半のことも考えることも重要です。
下山時の事故が多いということを忘れないようにしましょう。
まとめ
登山では、起こるかもしれない最悪のケースを何通りも想定して、対策を考えておく必要があります。
「油断大敵」を肝に銘じて「転ばぬ先の杖」を用意しておく…。
先人は子孫の安全と繁栄を願っているのですね。
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